干ばつが再びタイを襲う
タイ経済と重要な輸出部門は、先月多くの県で洪水が発生した後、天候の乾燥が進むにつれて新たな脅威、干ばつに直面しています。 8月の輸出は長らく減少していた後、11ヶ月ぶりに改善しましたが、干ばつは食品の製造と出荷に打撃を与える可能性があります。
今年初めから水不足が懸念されており、6月から10月にかけて降水量が増えたにもかかわらず、エルニーニョ現象による干ばつが11月に始まると予想されているため、農業協同組合省は引き続き乾季を懸念してます。タイの農業セクターは2023年から2025年までの少なくとも3年間は降雨量の減少に見舞われると予想しています。
エルニーニョ現象
農業協同組合省は今年のエルニーニョ現象による降雨量の減少により、全国の約1,650万ライの農地が影響を受けると発表しました。 エルニーニョは、熱帯太平洋で海洋温暖化を引き起こし、多くの国に干ばつをもたらし、他の国に降雨や洪水をもたらす周期的な現象です。
8月には東北部ナコーン・ラーチャシーマー県にあるラム・タコン・ダムの水位はここ10年で最低水準に低下し、ダムの貯水量は容量の42％となりました。この状況は10の村の27万7,000ライの地域に影響を与えています。 王立灌漑局の予測によると、今年の雨季が終わる11月までに、国内35の主要貯水池の水量は約228億立方メートルとなり、昨年より約130億立方メートル減少します。
水不足は輸出、国民の購買力、GDP成長、さらには食糧安全保障にまで幅広い影響を引き起こす可能性がります。
農作物の収穫量の減少
タイは世界的に主要な食料輸出国で、米とサトウキビは有名な農産物の一つです。サトウキビは干ばつ時に苦戦する作物の一つです。 タイ工業連盟（FTI）は、降雨量の減少により、2023～24年の新作年度のサトウキビ生産量は、当初予想の100～105トンから80トンに減少すると予想しています。 収量の減少は農家の収入だけでなく、国内の砂糖生産にも影響を与えます。
タイはトップ5の砂糖輸出国で、干ばつが起きれば、タイの砂糖産業は競争に負けるかもしれません。乾季に備えて農家は、二作目の米の代わりに豆など干ばつに強い作物を栽培するよう勧められています。
食糧危機
2022年の食糧危機に関する世界報告書の中で、53ヶ国の約1億9,300万人が食糧不安に直面していると報告しました。食品価格の上昇により、2023年にはさらに4,000万人が影響を受け、通常は収入の少なくとも半分を食品に費やす低所得者層に打撃を与えたと指摘しています。人為的な地球温暖化に起因する気候変動は、農業生産に悪影響を与える深刻な干ばつなどの自然災害を引き起こすと非難されています。 世界人口の増加、農地面積の減少、伝染病の発生や地政学的紛争も食糧不安を深刻化させました。
インドやベトナムなど多くの国は、国内消費用の米を十分に確保するために米の輸出を規制し、食料安全保障計画を策定しています。
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